成年後見制度って何? 【PR】

親が認知症等となってご自身で財産の管理ができなくなった時に、財産を保護する観点から、子供や司法書士・弁護士等に財産管理を委託する契約を成年後見といいます。(「成年」とは「未成年ではない」という意味です。未成年後見制度とは親が無くなった未成年者を保護する制度です。)

希望していても、裁判所の運用効率の面から、実の子供や兄弟などが成年後見人になれない場合が多いです。(誰を後見人にするのか?裁判所が決定します、家族がなれるのは3割程度です)上の表は最高裁事務総局で公表している2017年度の1年間に制度を利用した、後見人と本人との関係を身分で表した内訳表です。

成年後見制度は、1989年の「高齢者保健福祉推進10ヵ年戦略」の流れをくむ制度で、介護保険制度が立ち上げられた2000年に合わせてできた制度です。介護保険制度による様々なサービスの契約をできるようにして生まれた制度が成年後見制度の発端です。

これまでに結婚をしてこなかった方や、連れ合いが無くなって子供もいない高齢者が、「今後認知症になって、財産管理ができなくなる前に備えておこう・・・」という場合にも成年後見制度に沿って、事前に契約することで司法書士・弁護士に財産管理を委託する契約を結ぶ事もできます。(=任意後見)

国の施策として2016年5月から「成年後見制度利用促進法」が施行されています。

個人の様々な事情によって後見制度を選択して利用する事はできていた。それだけではなくなって、この成年後見制度を利用する事を行政が促す推し進める法律が運用されています。

利用する場合に注意しておきたい点。

成年後見制度は、一旦契約すると一生継続して契約を維持しなければならず、途中解約することがほとんどできません。他人(法律のプロ等)と契約する場合には定期の費用負担(月2万円程度⇒年間24万円程度⇒10年間で240万円程度)もかかります。

その費用は年々目減り傾向にある親の年金支給額から引き落とされる場合が少なくはなく、親の年金では足りなくなると、その費用は配偶者・家族・子に重くのしかかる事もありうるでしょう。

日本の成年後見制度は先進諸外国の成年後見制度と比べ、もう一人、監督人を置く必要のある「重い制度」と言われています。「重い」というのは、縛りが強く身動きが取れにくくなる、という事です。

子供が後見人に選ばれても、監督人がつき費用が発生します。

親が投資していた株が上がったのでこのタイミングで売ろうと希望しても、実際に売るための手続きに時間がかかり、売れる手続きが完了した時には株価が下がってしまった・・・という事が現実に起きているようです。

良いことばかりではない成年後見制度の実態を契約の前にしっかりと知っておく事はとても重要です。

例えば、フリーライターの永峰栄太郎さんは東洋経済オンラインの誌面

定期預金も解約できました。

遺産相続も、父の介護施設の入所も無事終わりました。

しかし、

私の心には「この制度は使ってはいけなかった」という、

強い後悔の念しか残っていません。

とおっしゃっています。どのような問題点があるのでしょうか? 

家庭裁判所に後見人選出の申請をすると、それからは、選出を取り消す事も監督人を拒否する事もできません。一旦、選出が確定すると不服申し立てが一切できません。

成年後見制度を利用開始すると、本人が死ぬまで財産管理が続けられます。成年後見制度は家計を公的に管理する制度なので、家計のプライバシーがなくなります。

裁判所の判断の基準は、財産をなるべく保存するところになる為、家族で合理的に利用したい場合であっても、利用を止める方向で管理がされるようです。

認知症となった親の財産管理の為に、成年後見制度を利用する事が多いようですが、認知症になると何もできなくなるわけではなく、本人の意思を確認できる場合は少なくありません。

認知症を発症した最後の最後の手段として成年後見制度を利用するのが良いという専門家の指摘があります。

同じ制度を利用するにあたっては、良い部分と悪い部分は人それぞれの事情によって変わります。

成年後見制度による縛りと財産管理の必要性と財産の有効利用という3つのポイントを天秤に掛け、備えながら、その上で賢く制度を利用したいものです。

投稿者プロフィール

みえる
みえる
埼玉県中部から湘南新宿ラインを使って東京都心に勤めています。親の介護体験はありません。

自転車で10分程の老人ホームに住む母に、週2回程度、手料理を持参したり差し入れや病院の通院の付き添いで訪問しています。

母が老人ホームに移り住むタイミングで近くに引っ越しました。通勤時間は長くなりましたが、自分の時間が作れました。

左の写真の絵は私が描いた絵ではありません。

超多忙な時期に自分を取り戻すかのような思いで購入しました。日本画家東山魁夷の「道」の複製です。とっても好きな絵です。人の人生のよう。

忙しいからこそ、絵画を鑑賞したくなる時があります。アンバランスでどこか不足した栄養素を補うような本能で、美を欲するのを感じるからなのでしょう。

しっかり働き、自分の時間を大切に、そして、親の助け手でもある。恩返しする。これまでも、これからも・・・。