Q 在宅介護と施設では、どちらを選べば良いですか?
ご自宅で家族が介護する事ができ、本人も自宅を希望しているのであれば、在宅介護が良いでしょう。介護にかかる費用も低く抑えることができます。
訪問サービスには、訪問介護・訪問入浴介護・訪問リハビリテーション・訪問看護・居宅療養管理指導があります。介護保険範囲内で利用した場合の在宅介護サービスの目安を1例紹介します。
自己負担1割で要介護3の方の場合、通所介護を週2回、訪問介護も週2回、訪問看護を週1回利用すると、おおむね月の自己支払い費用は2万5,000円程度です。資金に余裕のある一人暮らしの高齢者が、介護保険適用外で自費でホームヘルパーを指名し、在宅を選ぶ、という方もいます。
利用者から指名を受けるほどのホームヘルパーはプロ中のプロであり、そのような人材はかなり少ないのが現状です。ご家族が介護する事ができない、介護が限界になった、一人暮らしで家族がいない等の場合には、一般的には施設を利用される方が多いようです。
施設を利用する為に必要な資金がない場合には利用者負担軽減措置や、場合によっては生活保護申請により施設を利用できる可能性があります。在宅介護と施設介護の利用者の比率は、2005年の厚生労働省の調査によると、在宅介護が77.4%で施設介護が22.6%となっています。
施設の候補となるのは、介護付き有料老人ホーム、グループホーム、ケアハウス、介護医療院、介護老人保健施設、サービス付き高齢者向け住宅、特別養護老人ホーム等があります。これらの施設内で比較的料金設定が低いのは、特別養護老人ホームで、2019年現在、月額利用料金は5~15万円程度で入居できます。
1年以上の長期で、あるいは最期まで入居を希望している場合には、特別養護老人ホーム、介護付き有料老人ホーム、ケアハウス、グループホームに入居されるのが良いでしょう。
サービス付き高齢者向け住宅は一般的には介護サービスがなく、入居者が自分で外部のサービス業者に依頼する事になります。家賃を払いながら、自宅で利用できるサービスと同様のサービスを利用する事になります。
生活相談サービスと安否確認サービスのみが法律上義務付けられている為、サービス内容は個々に大きく変わります。「サービス付き高齢者向け住宅は割安」と当初言われていましたが、費用の総額は割高になると指摘する専門家が近年少なくありません。
サービス付き高齢者向け住宅の中にはわずかですが、介護付きの住宅があります。名称登録が異なるだけで、サービス内容は概ね介護付き有料老人ホームと同じです。施設にはさまざまな種類がありますが、施設ごとにサービス内容も契約内容も異なります。
施設の概要や職員配置数、サービス内容や費用について詳しく説明している書類を重要事項説明書といいます。比較的優良な施設では、ホームページ上にも重要事項説明書を公開しています。契約の前に必ず内容を確認されてください。施設から提示がない場合には、「重要事項説明書を見せてください。」と請求する事です。
Q 親の介護のために仕事を辞めたいのですが?
人それぞれに親子関係が異なります。親への思い入れもご家族によって違います。介護に疲れ、仕事も多忙であれば、どちらか1つを選びたくなるのは人情です。
けれど、よほどの事がない限り、介護を理由に仕事を辞めるべきではありません。辞めない意識を持っておく。
今後、介護保険の自己負担額が増える傾向にあり、親の病気などで医療費が増えてゆく可能性もあります。そのような今後かかる費用を、貯蓄等の資産で支払う事が十分可能な世帯はかなり少ないのが現状です。
十分な資産家ではない一般的な会社員であれば、一旦、仕事を辞めたとしても、今後の再就職を念頭に置く必要が必ずあります。起業できるようなキャリアをお持ちの方でも年齢条件によってこれまで同様のお仕事を得る事は難しいのです。
中年以降の年齢であれば、再雇用されても、今よりもかなり低額の賃金で働く可能性は高くなります。すると、貯蓄を取り崩し、いつかは、介護の費用も、生活費も支払えない事態ともなります。
あなたの会社に「介護休暇制度」があるのであれば、まず、上司に相談してみるのが良いでしょう。
在宅介護をしながらでも、いったん自宅介護の手から離れるために、デイサービスや介護老人保健施設に親を預け、時間を確保すること。介護の手から離れている間に、休む・体調を整える・相談する。今後の介護について専門家に相談しながら施設についても調べる事ができます。
介護離職防止対策促進機構は主に企業内に介護離職防止アドバイザーを養成する活動を行っていますが、介護離職関連の書籍も多数紹介されています。
Q 大手の会社が経営している施設を選べば安心ですか?
大手企業が介護業界に参入していますが、必ずしも大手だから満足のゆくサービスが提供されているわけではありません。
ケアマネジャーから勧められたから(あっせんしているケアマネジャー、利用者の要望をあまり聞き入れず、特定の事業所を強く勧めてくるケアマネジャーもいるようです。)、ネット検索で高評価だったから、という理由ですぐに決めるよりも、実際に見学してみる事です。
自分の目で確かめた”感じ”を選ぶポイントに加えてみましょう。気に入った施設には時間をとって、3回見学するのが理想です。「ココがいい!」と決めてから、できれば体験入居してみる事をお勧めします。
時間がないのであれば、その地域の本当の口コミを聞いてみる、体験者の正直な感想を聞くことができると、公開されていない生の情報を得る事ができます。
介護施設を買収して、民間企業が介護業界に参入し施設を運営している場合があります。
複数の介護施設を運営していても、利益が低い施設を切り捨てる企業はあります。赤字部門を縮小するのが営利を目的とする法人=民間企業だからです。
有名な企業が経営していても、ブランド名で安心する事なく、その施設の空室がなく(少なく)利用者数が多い、スタッフが大きくは不足していない施設を選びましょう。

